*** 北欧の旅 ***
                                                     2016.10.16
 北欧の旅 <2016.9.28〜10.5> *

 どうも南の方は相次ぐ爆弾テロで物騒であり、北欧ならまだましかなという思いでノルウエー
 スエーデン、フィンランドを巡るツアーに参加した。
 
 Google地球儀を開いて見て、オスロ、ストックホルム、ヘルシンキといったそれぞれの首都は
 北緯60度に位置していて、それを極東で比べるならカムチャッカ半島の付け根の緯度に相当
 するので、その”北さ加減”に驚かされてしまう。稚内から1600kmの遥か北なのである。
 
     


<一日目>

成田からはフィンランド航空がヘルシンキまで飛んでいる。
  


成田を飛び立ったフィンランド機は大きく右旋回したのち、佐渡島を掠めて日本海を北上しロシア
上空をひたすら西へ西へと飛び続ける。

眼下には自然のまゝの曲がりくねった河川が、いくつも現れては消える。シベリアは全く未開の
地であり、人工物は何時間経っても見当たらない。
NHKのBSでやっていたが、1ヘクタール法が制定され申請すればだれでもシベリアの1ヘク
タールの土地を無料で貰えるのだそうだ。羨ましい限りの広大な土地がそこにはある。
  


飛行機はおよそ900km/時のスピードで太陽を追って飛び続けるから、約10時間飛んでも時間は
4時間ほどしか進まない。<地球の自転速度は赤道地点で時速1,674km、東京地点で、時速1,361km>
  



成田から10時間ほど経ってやっとヘルシンキに着く。
ここで乗り継いで、オスロに向かう。この間約800kmなので東京〜福岡程度であり1時間半ほどの飛行。
  


飲み物の機内サービスがあったかと思うとすぐに降下を始め、緑が見えてホッとする。
  


オスロのホテルはスカンディック フォルネブ(Scandic Fornebu)安価なチェーンホテルらしく
どうもこのホテルは造りが悪く、隣の部屋の声が丸聞こえで、参りました。

  



ロビーなどの見栄えはいいが・・・。
  



<二日目>

オスロを早朝に発ってバスでオスロ北西220kmにあるGilo(ヤイロ)へ向かう。ヤイロか
らはベルゲン鉄道でMyrdal(ミュルダール)へ行く。この辺り湖沼が無数に点在する。


ヤイロへの途中で休息した「道の駅」の様な所にはナナカマドが実を赤くし、大きな熊が立っていた。
  


更に高度を上げ、ヤイロの駅で下車する。駅の向うはスキー場になっていた。ここで早くも霰に見舞われる。
  


ベルゲン鉄道に乗る                        この辺りはもう冬景色だ
  



ミュルダール駅は激しい冷たい雨の中だった。
 




ミュルダールでFlam(フロム鉄道)に乗り換えてFlam(フロム)へ急こう配を下りて行く。

ショースフォッセン駅で一時停車し、ショース滝を見学。
 



このショース滝の水量は凄い!
  


あちらこちらに滝がある。小さな木々で保水力がないのだろう、雨は直ぐに滝になって流れ落ちる。
  



Sognefjorden(ソグネフィヨルド)の深部にあるフロムに到着し、土産物を買う。
ここから北海の外洋までは170kmもある。
  



Troll(トロール)人形購入。ノルウェーの妖精の一種だそうだ。
 


  フィヨルドの動画 <画面の中央の矢印をクリックすると動画が始まります>



途中、いくつかの集落に寄港し強い雨の中フィヨルドのをクルーズする。
  



本来なら上甲板で景色を見たいが、雨が強くて出ていられない。    滝が山の上から幾筋も落ちる。
  



止む無く船倉に入ると、中国人が傍若無人の振る舞いである・・・。
20年前の日本人も同じだと言われるが、ここまでひどくはなかったろう。
  


ノルウエーのフィヨルドは壮大であり、200kmを越えるものもある。東京湾からだと前橋を越え新潟
の十日町辺りまでの距離であり、その大きさが計り知れる。

2時間のクルージングを終え船はGudvangen(グドヴァンゲン)に接岸し、そこからフィヨルドの下を
くり抜いた長いトンネルを走り、Laerdal(レルダルスエイリ)のlindstroem(リンドストローム)ホ
テルに宿泊となる。

  


<三日目>


このホテルはオスロのスカンディック フォルネブよりずっといいホテルだった。
夜は全くの静寂で、車の音もしない。
  


赤い実の木は、目木の一種だろうか。
  


翌朝は天気も回復しすがすがしい。そうだ、ここはフィヨルドの奥深くなんだ!
  



ここからオスロまで285kmのバスの旅である。
途中、木造の教会(スターブ教会)とクローデン湖に寄る。

昨夜の雨が、山の上は雪となっている。
  


Stavkirke(スターブ教会)アナ雪の女王のモデルとなった教会と同じ教会だそうだ。
  


荒涼とした景色が続く。
冬はどんな光景になるのだろう、日差しは殆どなかろうに・・・。
  


名前は判らないが青い花が一輪さき残っていた。
中国の黄龍にこれに似た青いけしの花が咲いていた。




この近くで休憩。この辺りまで降りてくると山もなだらかになり、優しい自然となる。
  



オスロに4時に到着し、国立美術館とFrognerparken(フログネル公園)を見学。
オスロの町には日産の電気自動車(リーフ)が沢山走っていた。日本の道路で出
会うリーフの割合よりもずっと多い。環境に対する配慮なんだろう。

 ノルウエー国立美術館とFrognerparken(フログネル公園 )
 <元の場所に戻るには、画面左上のブラウザの戻るアイコン(左矢印)が便利です>


<四日目>

昨晩のホテルはオスロのQualityHotel Expo(クオリティエキスポ)だった。
  


ホテルの前は海                          ロビーの壁に植物植えられた苔などの植物
  


今日は国境を越えてスエーデンのストックホルムまで520kmのロングドライブだ。これは東京〜神戸
間の距離である。

→画面をクリックすると拡大されます

オスロには沢山の帆船が係留されている。 オスロ近郊には広大な農地や森が広がり、多くの湖沼が点在する。
   

程なくスエーデンに入るとさらに土地はなだらかになり、豊かな自然となる。途中小さな町で昼食となる。
   

昼食を摂った近くの駅。
   


ヨーロッパ道路18号線は快適である。速度制限は120kmの区間が多い。花は弁慶草の一種だろう。
   


スエーデンだ!ボルボの工場もあった。ボルボは兎に角頑丈な車で、雪道で横転しても大丈夫だ。
   



やっとストックホルムに到着し、運河クルーズに向かう。

 運河クルーズ  <元の場所に戻るには、画面左上のブラウザの戻るアイコン(左矢印)が便利です>


4日目のホテルは空港近くのSTHLM BROMMA HOTEL(スタルム ブロンマ)である。
ホテルの傍に大きなマーケットがあった。




<五日目>

五日目はストックホルム市内観光です。
その後、大型客船に乗ってヘルシンキへ向かいます。

 ノーベル博物館など

ノーベル博物館内の売店でしか本物は売っていないというチョコレートです。
日本のノーベル受賞者も土産に沢山買うとか?
買いましたよ、1缶2,000円(10個入り)を6個もね!
左はチョコレートが入っている容器、右がチョコレート本体です。味はフツウ・・・。


ノーベルについては、ノーベル賞ばかりが話題になるが、ノーベルは兵器商人だったことも事実である。
ノーベルが死亡したときの新聞の見出しは「死の商人、死す」であり、「アルフレッド・ノーベル博士
:可能な限りの最短時間でかつてないほど大勢の人間を殺害する方法を発見し、富を築いた人物が昨日、
死亡した」となっていたそうである。ノーベルの贖罪意識があって賞を設けたとも言われる。

ノーベル文学賞の受賞が決まったボブ・ディランとは連絡が取れないのだそうだ。反骨ぶりを示そうと
しているのか、更なる話題提供かは知らないが我々の感覚では計り知れない。日本人が思うほどノーベ
ル賞を最高のものとは思っていないのかも知れない。上記のような経緯があるので・・・。

ちょっと横道にそれるが、毎年のようにノーベル文学賞を取るのではないかと期待されている村上春樹
について、文芸評論家の加藤典洋さんがその著書「村上春樹は、むずかしい(岩波新書)」で面白い事
を書かれている。「毎年この時期になるとTV局に駆り出され、受賞発表まで待機させられます。でも
もう何年もやっていると、もう受賞しなくてもどうでもよくなりました」だそうです。で、今年もTV
局で待ちぼうけをくったんだろうか?加藤さんは同じマンションにお住まいなので出される本は時々買
うのですが、同上の「村上春樹は、むずかしい」は僕には難しすぎて困りました・・・。



 スエーデン王宮衛兵交替動画


五日目の宿は、船の中です。 (クリックすると写真は拡大されます)
 Silja Symphony(シリアシンフォニー号)は全長203m、横幅32m、客室986室、乗船人数2,852人の大型船だ。
   

船内には店が立ち並び、寿司屋もある。 ストックホルムからバルト海へ出るまでは狭い航路を延々と走る。
   

夜になると通路でサーカスやショーが始まる。カジノやスーパー映画館もある。
   

屋上のデッキ、部屋の中など。
   

やがて朝になるとストックホルムの島影が見えだしてくる。
   

そして下船となる。下船して真近で見るとその巨大さに改めて驚かされる。
   


<六日目>


朝、客船から下船の後ヘルシンキ市内観光です。


Temppeliaukion kirkko(テンペリアウキオ教会)
岩盤をくり抜いた中に教会がある。 
 
(写真はwikipediaより)

外観はこうなっている
   


中に入ってみると
   


 テンペリアウキオ教会 動画

Uspenskin katedraali(ウスペンスキー寺院)ロシア正教       ヘルシンキ大聖堂が遠くに望まれる
の寺院
   


ヨーロッパではトラムと呼ばれる電車が多い             ヘルシンキ大聖堂
   

アレクサンダー二世の像                      水玉模様で有名な草間彌生さんの展覧会
   


Etelasataman kauppatori(エテラサタマン・カウッパトリ/エテラ港のマーケット広場)
   


今日はニシンの販売日とかで、漁師が船を並べて色々販売中
   


市役所。小用に立ち寄った             中では子供達がオブジェを観察中、筆者も覗いて見た。。
   


最後の宿泊ホテル、ヘルシンキ・ヒルトンに向かう


ヒルトンには様々な花が植えられていた、流石ヒルトン!  この時期に紫陽花か!それもまだ咲き始め!?
   


紫陽花と紅葉の競演!
   


埼玉や群馬には冬桜があって、桜と紅葉が同時に見られるが、ここでは紫陽花と紅葉だ!
   



これはハマナス                       このショットは少し気に入った
   



薔薇                               アメリカ蔦
   



八重咲きカランコエ  葉はワイヤープランツ
   


やや色の落ちた紫陽花                       紅葉
   


木目                               ホテルのプライベートビーチ
   


ホテルのロビー                          部屋から外を見る
   





<七日目>

午前中は古都 Porvoo(ポルヴォー)観光をして、14:00にヒルトンホテルからヘルシンキ空港へ向かい帰国の
途に着きます。

ヘルシンキのホテルから高速道で1時間東に走ると、川沿いに赤壁の倉庫が並んだ街があった。
小高い丘の上にはポルヴォー大聖堂が建っていた。
   


木々は紅葉し、直ぐにも冬を迎えようとしている。
   


大聖堂の中では、何やら行事が行われている。            ナナカマドが赤い実を着けている。
   


橋の上から川沿いの赤壁の倉庫群を望む。              川の傍は風が吹いてとても寒い。
   


ハマナスの向うに城砦のあった丘を望む。
   


大砲が置かれている。
   


紅葉が綺麗だ。昼御飯はこの街のレストランで食べた。土産のチョコレートを沢山買う者もいる。
   


昔の教会で、今はトイレになっている。               長い赤壁の塀
   


ビデンスが咲いている。
   


この寒いのに、川に船を浮かべて釣りをしている。
   


このポルヴォーはヘルシンキに次いで古い街だそうである。
フィンランドは1152年から約700年ものあいだスエーデンの支配下であった。更に
その後は1917年までロシアに支配されていた。800年も他国の支配下にあるという
事はどんなものなのだろうか?我が国も1945年の敗戦依頼(僕の誕生年)70年以上
アメリカの準占領下にあるのだが、その10倍以上もの長さである・・・。

   


ハマナスも日本の時期とは異なる咲き方だ。
   



市の紋章の花壇                          ポルヴォーの案内板
   


フィンランドでは忘れてはならないのは、Onkalo(オンカロ)と呼ばれる高レベル放射性廃棄物を半永久的
に地中に埋める最終処分場である。Olkiluoto(オルキルオト)島の地下420mに5,500トンの廃棄物をここに
10万年間埋めるという。10万年もの長い間誰がどうやって管理するのか、出来るのか答えは出ていない。10
万年前と言えば、この地域は大氷河に覆われていた時代で、人類の祖先がアフリカ大陸から移動を開始した
時代でもあり、今後10万年経つとまた氷河に覆われるかも知れない。そして氷河が溶け出すとフィヨルドを
造り出したようにオンカロなど簡単に掘り出されてしまうだろう。スエーデンでも同様な施設を造っている。

日本では、高レベル放射性廃棄物の処理方法もまだ決まっておらず溜まる一方である。青森県の六ケ所村の
再処理工場で高レベルを低レベルに下げる処理をする計画はあるが、その後の処分場は候補地さえ見つから
ない現状である。「トイレの無いマンション」と揶揄される原発の再稼働は廃棄物の処理が出来ないままで
はやるべきではないだろう。


それとフィンランドではNokia(ノキア)を忘れてはならない。ノキアは2010年頃までは携帯端末で世界の
トップシェアの会社だった。スマートフォン戦略でアップルやサムスンの後塵を拝し、今やマイクロソフト
の傘下になってしまってはいるが。。


帰りは、当然だが行きと逆の航空路が映し出される。偏西風のせいだろうが、飛行時間は帰路は40分ほど短い。
   



<八日目>

朝、9時前に成田に着いて今回の旅は終わりとなる。

ターンテーブルの荷物を受け取り、ご一緒させて頂いた方や添乗員さんに挨拶して今回の
旅は終わりとなる。「一期一会」の短い旅は多くの思い出を残して終わり、また今年も間
もなく終わろうとしている。このような事をしながら気が付けば古希も越えてしまった!

今回ご一緒させて頂いた方々は、これが今度の北欧の旅の思い出の一助になれば幸いです。
お気に入りの写真などありましたらご随意にご利用下さい。

疑問点や間違いのご指摘やご連絡は、HPの最初の画面の下の方にあります「問い合わせ」
から出来ますので利用下さい。

ムーミンとムーミン ミイ                             サンタクロース
  
ヘルシンキの空港でこれらの人形を買い求めて、我が家の旅行先の置物仲間がまた増えました。





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