*** 三度目の大山詣で ***

家に帰り着いて万歩計を取り出してみると、" 20,070歩、402Kcal、11.8km "と表示され
ていた。今日歩いた歩数、消費カロリー、歩行距離である。

朝は早かった。5時過ぎに隣の席に妻を乗せて志木の家を出て、川越街道、環八と走りま
だ人影もまばらな東名の海老名サービスエリアで朝食を摂ったのは、7時を少し回ったば
かりであった。

このサービスエリアは大規模で、飲食店や販売店も数多くある。メロンパンだけを売って
いる所もあり、それを目当てで来る客もいると雑誌に紹介されていた。
今日、目指す「大山」は写真の右手後方の山である。目をよ〜く凝らして見ると富士山も
うっすらとその左隣に写っている。









カー・ナビに「大山駅」と入力して出発した。ナビは厚木ICを降りて小田原厚木有料道路
の側道を少し走り、愛甲石田駅前でルート246に入り、伊勢原市役所入り口で右折して
大山登山道方面に行くよう指示している。

ご承知の通り「大山詣で」は江戸時代から盛んだったようで、Wikipediaによると、「江戸
の庶民にとっては、大山詣でと江ノ島詣のセットで娯楽の一つでもあった。」と記されてい
る。

参道の車で行ける終点に市営の第二駐車場があり、そこに車を置いてケーブルカー乗り場ま
での「コマ参道」500mを、363段の階段を上がりながら歩くことになる。

363段の階段には27か所の踊場があって、タイルにコマの絵が描かれている。大コマ1個が
10段を小コマが1段を表しているのだそうだ。







長い階段もあるが、路の両側は、みやげ物売店や飲食店、旅館などである。







色々なコマを沢山売っている。
「大山こま」は「江戸中期より300年の伝統で商売繁盛、家内安全の縁起物として土産に売
 られている」と観光マップに説明がある。










豆腐料理も有名らしい。3月初旬には「豆腐祭り」が行われるとも書かれている。
大山の水を使って豆腐を昔から作っていたようだ。帰りに豆腐を買おう。









コマ参道を登りきると「大山ケーブル駅」がある。始発は9時で20分間隔で運転されている。
まだ8時すぎだったので下社まで歩くことにする。ケーブルなら6分、歩くと30〜40分だ。

ルートは男坂と女坂があり、前回は男坂を登ったので今回は女坂にする。女坂には「七不
思議」が坂の途中にあり、立札にその謂れが書かれている。

『弘法水、子育地蔵、爪切地蔵、逆菩提樹、無明橋、潮音洞、眼形石』の七つだ。








これは「子育て地蔵」

「最初は普通のお地蔵様として安置されていたが何時の頃からか顔が童に変わっていた。
 この地蔵に祈ると子供がすくすくと丈夫に育つといわれる。」 
 と説明してある。



 




途中に大山寺がある。11月の中旬には紅葉が盛んになるらしい。このときは一寸早かった。
大山寺の直下は急な階段だ。









大山寺にはケーブルカーの「大山寺駅」があり、これを利用すれば楽である。
ここからは下社はそう遠くない。










大山寺からは階段が急になり、最後にやっと阿夫利神社下社が見えて来る。
目標が見えてくると足取りも軽くなるものだ。朝早いので人は殆ど見かけない。








阿夫利神社下社。最終目標の上社は社の背後の遥かな彼方の稜線にある。ここからまだ
90分は掛かる。一休みする事にした。













阿夫利神社下社下社からは、こうした登りが延々と続く。








14丁目の「牡丹岩」。海底で出来た岩だそうだ。海底が隆起して出来た山なんだろう。











15丁目の「天狗の鼻突き岩」、まさか?ね。









20丁目まで登ると「富士見台」だ。江戸時代にはこの場所で描いた浮世絵があるらしい。
今日は霞んで明瞭な富士ではなかった。今日、10月22日はまだ富士は冠雪していない。









25丁目の「ヤビツ峠」道との分岐点。「ヤビツ峠」までは秦野駅からバスが来ている。
そこからは60分の歩きでここに来られる。大山頂上まではこのルートが最短だろう。
この分岐点から頂上までは勾配も緩くなり15分で到着する。





この看板には勇気付けられる。







27丁目の鳥居が見えてくると頂上はもうそこだ!



  





28丁目の頂上

阿夫利神社本社

 



標高1,247mと書かれている。







本社横の売店。飲み物や食べ物も売っており、重いものは持ってこなくても良い。







相模平野と相模湾。肉眼では江ノ島が微かに見られる。








「阿夫利神社の「阿夫利」は「雨降り」に由来するといわれる。 江戸後期から明治にか
 けて「大山詣」(大山講)が盛んに行われた。特に雨乞い、止雨、適雨に霊験があるも
 のとされて、農業・漁業・海運・商工に携わる人々の信仰を集めた。」
 との説明が何かに書いてあった。












社の裏手に回ると、伊勢原市の「大山から景観図」が立てられている。
不動の峰1614mが最高峰のようだ。








富士や丹沢山塊
二の塔、三の塔の向こうに富士が見える。










下山は「見晴台」経由で下りた。紅葉のはしりであった。
「見晴台」は木が茂って見晴らしはよく無い。先端の方へいくと見晴らせるのだろう。











「二重社」には「八大龍王」の旗が沢山掲げられている。 
「八大龍王」は昔から雨乞いの神様として祀られ、雲を呼び雨を降らすものらしい。。









「二重滝」このそばに「二重社」がある。








「下社」から「見晴台」の間はほぼ平坦な路なのだが、所々に急な崖やガレ場がある。
「二重滝」近くの崖に花が手向けてあった。聞くと、子供が滑落しそれを助けに行った親
が更に落下して亡くなったそうである。このほかにも事故が起きている。大山と言えども、
ケーブルカーで来て「見晴台」までは容易に行けるが、決して侮ってはならない山である。

最近、トレイルランニングと言って、こうした山を走って踏破し、そのタイムを競うレー
スが行われている。日本でも100kmを昼夜かけて登り下りする「おんたけウルトラトレイ
ル100q」の様な過酷なレースが行われ始めた。ここ大山もトレイルランの練習コースとし
て利用されているようだ。登山者や自然にも配慮したレースや練習であって欲しいものだ。


3月中旬に行われる、伊勢原駅から下社までの「大山マラソン大会」などは、トレイルラ
ンに比べればたいしたものではない。因みに記録は38分48秒だそうです、どうですか挑戦
なさってみては!



やや痛む足を労わりながら、愛車のプリメーラを運転して東名経由で帰宅した。

   <終わり>

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