<ブダペスト>

今回の旅の最終地ブダペストである。「ドナウの真珠」と讃えられる街で、南北にドナウが流
れブダ地区とペスト地区はくさり橋等で結ばれている。中洲にはマルギット島がある。

ドナウ川いうと、まず宮本輝の「ドナウの旅人」が思い起こされる。随分前に読んだ記憶があ
るが、そこでブダペストが魅力的に書かれていて、かねて訪れてみたい場所の一つであった。

ドナウ川の水源はドイツの「黒い森」が水源とされ、そこからオーストリアのウィーンへ、そ
してスロバキア、ハンガリー、クロアチア、セルビアを通り、ルーマニアのドナウデルタで黒
海に注ぐ大河である。スイスに発しリヒテンシュタイン、オーストリア、ドイツ、フランス、
オランダを流れ北海に注ぐライン川や、モスクワ北西に発し延々と3,690kmを流れてカスピ海に
注ぐロシアのボルガ川等と共にヨーロッパの大河の一つである。

このドナウは2,850kmに及ぶ大河で、ここブダペストはまだ中流域である。ここから黒海までの
長い1,500kmの大河の流れはどのようなものなものだろうか?ここから黒海河口の大デルタ地帯
に至る壮大な流れは、宮本輝の小説でその様子を少し知る事が出来る。
調べてみると、14泊15日のドナウ川クルーズが運行されている。(クルーズ料金2千〜4千$)



ブダペストでは世界遺産地区にあるヒルトンホテルに2連泊した。

正面の建物がヒルトンホテルです。






ホテルの部屋からはドナウ川やペスト地区そして「漁夫の砦」も望める。






流石にヒルトン、内部の様子も相当なもの。
   




ゲッレールトの丘(Gellert-hegy)のツイタデラ/要塞(Citadella)からの眺望
中央が王宮、その向こうに漁夫の砦やマーチャシュ教会が見える。






ドナウ川と鎖橋、橋の向こうの円形の屋根は国会議事堂






ペスト地区にある夕食のレストラン
  





貴腐ワイン(トカイワイン)130年物、たったこれだけの分量で800円          チキンパプリカ(ここではパプリカに人気がある)
  





盛んに日本の曲などやる、日本人が多いのだろう。






鎖橋から王宮を見る。

 
 



漁夫の砦






聖イシュトヴァーン(ハンガリーの初代国王)






国会議事堂方面を望む






マーチャーシュ教会
 





 





マーチャーシュ教会/動画









三位一体像(ペスト記念碑で、悪病が流行らぬようにとの魔除けの記念碑)               戦争の弾痕を記念碑として残している
 





伝説の鳥:ハンガリーはウラル山脈あたりに住んでいたマジャル民族が西進してこの地に
住み着いた。その部族長アールパードをこの鳥が生んだとされる。初代国王イシュトヴァ
ーンはその子孫。
マジャル人は東洋系であったが西欧人と混血が進んだ。だがどこか東洋的な雰囲気がある。
ハンガリー語は膠着語(こうちゃくご)に分類され、日本語もその分類に入るので類似点
があるのだろう。








王宮前から鎖橋を望む







王宮前からマルギット島方面を望む






王宮前の像二つ、何の像だか?
 







 







昼食を摂った中華レストラン                             信号のない交差点はロータリーになっている。
 





エステルゴム大聖堂











ブダペスト北西60kmにあるハンガリー建国の地エステルゴム(Eszergom)。
 
  




ここは13世紀にモンゴルの来襲にあい壊滅的打撃を受け、そのためブダへ遷都した。
モンゴル軍の西進は凄まじく、都市ごと生ける物全てを皆殺しにした例も多い。

日本でも1274年の文永の役と1281年の弘安の役の元寇があり、もし台風が来なかったら
日本も壊滅させられていたことだろう。ただ、狭い日本では東欧で行ったような騎馬戦
が展開できたかは疑問である。

モンゴル帝国の二代目のハン、オゴタイが急死しなかったら、ヨーロッパは大西洋岸に
いたるまで悉く侵略されていたかも知れないのである。オゴタイの死によってモンゴル
軍はやっとその鉾を収め軍をひいたのである。

モンゴル軍の残虐さは目を覆うばかりで、降伏しても皆殺しが常套であったようで、死
体の山が文字どうり築かれたようである。武器はそれほど優れてはいないが、騎兵によ
る戦略・戦術に長けていたのだろう。

 





ドナウ川(エステルゴム)オーストリア国境











ドナウ川がスロバキアを過ぎてハンガリーに入ると、向きを変えてブダペスト方面へ流れるが、この弧を描く付近がドナウベント(Dunakanyar)と呼ばれる。

 

  




コウノトリが大きな巣を電柱に作っていた。
 





センテンドレ(Szentendre)には職人や商人が多く、小規模な美術館や博物館が多くある。正面もその一つ。
 






鄙びた街ではある。ただ、この辺りからはブダペストに通勤する人もいるらしい。





にわか雨が来て、虹(二重の)が出た。
 





グヤーシュの夕食(牛肉やタマネギ、パプリカなどで造るシチュー)
  





夕食会場入口                                   ドナウ川ナイトクルーズへ行く
  







200人ほどの定員の船に、我らたった6名の借り切り。
  









夜景に照らされたブタ地区とペスト地区を船上から堪能した。
  







シャンペンやビールも飲み放題。
ま、兎に角この景色を堪能あれ!下手な説明はいらないでしょう。
















































  


































ここブダペストは温泉の街でもあるそうで、24もの温泉があるという。

温泉には水着で入るようである。温泉は「オカマ」さん達の集う所でもあるらしく、特に
日本人は狙われるらしいので要注意だ!その際、傍にスーッと寄ってきて、太腿あたりを
トントンと叩くそうだ、それが「オカマ」を受け入れるか否かの合図なんだそうで、仮に
にっこり笑おうものなら、その後どうなるものやら・・・・。

僕などは、人類学的に進化が進んでいて、胸毛はおろか脛毛さえ殆んど無いのできっと狙
われそうなので、温泉に行くのは止めます?!

























さあ帰国の時がやってきた。ヒルトンの弁当でもこんなものだ。             ブタペストの空港
  





フランクフルト空港                                 ブタペスト→フランクフルトでの機内食
  






フランクフルト近郊上空






フランクフルト空港                                 帰りもルフトハンザ機で、仁川経由で成田へ
   





成田へは、仁川への寄り道の分が余計掛かって、予定を大幅に遅れて到着。成田日航ホテル前のUSAパーキング
で車を受け取って我が家へ急いだ。やはりいつものように都心は渋滞し、自宅へは1時頃に到着。
明後日はゴルフの月例会だが、もう練習などする気力も無く眠りこけた・・・・・・。

<終わり>

編集後記:このツアーでは「ノイシュバンシュタイン城」や「ブダペスト」を期待して出発した。

     実際に行ってみると、「ノイシュバンシュタイン城」は全くガッカリである。あまりに綺麗なのである。
     そりゃそうで、築城が明治16年頃といえば、日本では城は不要なものとして壊されている時代なのであ
     り、「狂王」と言われるルートヴィヒ2世が中世の騎士道に憧れ懐古趣味的に建てたもので全くの茶番
     である。そうであるなら、ディズニーランドのシンボルとしては全く相応しい。世界三大ガッカリとは
     「マーライオン」「人魚姫」「札幌時計台」と言われるがこの「ノイシュバンシュタイン城」を僕は付
     け加える事にしたい。

     宮本輝の小説で夢掻き立てられた「ブダペスト」は流石に素晴らしい街であった。だが、この街を二分
     して流れる「ドナウ川」はこの付近でまだ中流域なのに驚かされた。東欧として共産圏にあった流域は
     中世の色濃く残されていて、西欧的俗悪の近代化がされていないのがなんとも嬉しい。

     ハンガリーの辺りまで「モンゴル軍の侵略」がなされていて、その残虐ぶりは目や耳を覆いたくなるほ
     どのものである。西欧や東欧の中世の武器自体はモンゴル軍に較べて遜色は無いが、戦略・戦術にいか
     に彼らが長けていたか、が勝敗の鍵となったのだろう。南米を侵略したスペインやポルトガル軍はその
     兵器の差で圧倒的に勝利したのであったので、もしモンゴル軍がそのまま西進していたら間違いなくか
     の地も壊滅させられていた事だろう。

     ビールは、既に古代エジプトの時代から飲まれていたとエジプト旅行時に知ったが、この中欧地区のビ
     ールは確かに旨い。ドイツでなくチェコがその消費率が世界一だと知らされたが、数知れぬほどの銘柄
     があるのであろう。旨いをいい事に調子に載って昼・晩と旅行中飲み続けていたら、案の定帰国後かか
     り付けのお医者さんに「きついお叱り」を受けるハメになった。




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